腕時計選びでその人が解る!?

シンプルなミリタリーウォッチの魅力~ハミルトン・カーキ

当サイトでもご紹介してきました通り、筆者は非常に複雑な機構の腕時計に強く惹かれ、コレクションの中心としています。 しかし、一切の無駄のないシンプルな腕時計に魅力を感じないわけではありません。

シンプルな腕時計と言えば、筆者が真っ先に思い浮かべるのがミリタリーウォッチです。過酷な条件下で使用することを前提に考えると、複雑な機構は故障の原因になってしまいますし、操作性を損なってしまう可能性もあります。

そのため、ほとんどの場合、ミリタリーウォッチは非常にシンプルなものです。

今回はそんなミリタリーウォッチの中でも特にお気に入りのハミルトン・カーキについてご紹介してみたいと思います。

アメリカ生まれのスイス育ち…ハミルトン

少し腕時計に関心を持っている方であれば、ハミルトンという腕時計メーカーの名前を聞いたことがあるでしょう。 腕時計といえば、やはりスイス製のものがもっとも有名で、このハミルトンも現在はスイスのブランドとなっています。 しかし、このハミルトン、実はアメリカ生まれのブランドでした。

今やスイスブランドの1つとしてトラディッショナルなデザインの腕時計を数多く発表していることで知られていますが、アメリカで製造していた頃は、サイケデリックなモデルをいくつも生み出す新進気鋭のブランドでした。

今や、クォーツ時計が普及したことによって、電池式の腕時計の存在は一般的なものとなっています。 しかし、そんなクォーツが普及する以前から、ハミルトンなどのアメリカ時計メーカーのいくつかは電池式の腕時計を開発していました。

その構造はシンプルかつ、とても大胆なものです。なんと、小型モーターによってゼンマイを巻いてしまう、というもの。 クォーツほどの精度はありませんが、機械式時計のゼンマイを巻く、という手間をなくしてしまったのです。

そんなハミルトンですが、1990年代以降は、スイスのスウォッチグループに買収され、筆者も愛用しているカーキなどのシンプルなミリタリーウォッチを製造するようになりました。

一切の無駄を排した無骨なデザイン

筆者がハミルトン・カーキのもっとも気に入っている点は、一切の無駄を排した無骨なデザインです。 文字盤やケース、ブレスレットにいたるまで、一切の装飾はありません。

視認性を高くするために、大きく刻まれた数字、そして目盛りがこの特徴的な顔を作り上げています。

また、夜光塗料にも非常に強力なものが使用されており、少し暗いところへ行くと、周囲の人が少し驚いてしまうほどの光を放ちます。

筆者は戦場にいるわけではありませんので、これほどの視認性は必要ありませんし、スーツには少し似合わないくらいに無骨なデザインです。

しかし、腕時計マニアとしての視点でみると、この行き過ぎた特化性に惹かれてしまいます。

この特化性は、前述の前衛的な腕時計をいくつも生み出してきたアメリカ時代のハミルトンの伝統を受け継いだ結果と言えるのかもしれません。

それほど高価な時計ではありませんが、はめていると妙な満足感を感じることのできる不思議な時計の一つです。 デザイン性を特に意識して設計されたわけでもないのに、やたらと目立ってしまう…とても不思議な一本でした。