腕時計選びでその人が解る!?

腕時計とは何なのかを考えさせてくれる~セイコー・ファイブ

あなたは、腕時計とは何なのか?という質問を投げかけられたらどう答えますか?筆者のように、腕時計に魅了されている人間にとっては、あまりにもさまざまな意味、そして価値を持つものですので、すぐに答えることができないかもしれません。

しかし、それほど腕時計に強い関心や思い入れを持っていない方の場合は単に「時間を知るための道具」と答えることでしょう。 これこそが腕時計の本質です。

今回はそんな腕時計の本質を体現し、逆にマニアに腕時計とはいったい何なのかを考えさせてくれる腕時計についてお話してみたいと思います。

シンプルに時間を知らせてくれる腕時計

筆者のコレクションの中に、セイコー・ファイブというシリーズのものが何本もあります。今や世界を代表する時計メーカーとなったセイコーの定番シリーズですので、かつては、はじめての腕時計としてとても高い人気を集めていました。 今日でも、安価に購入することができますので、機械式時計の入門機としても知られています。

この腕時計の特徴と言えば、特に目立ったところがない点です。非常にシンプルな3針に、デイデイト。文字盤やケースのシェイプにはいくつかのパターンがありますが、どれも腕時計として定番となっているものばかりですので、ロゴを隠してしまうと、よほどのマニアでもなければこれはファイブである、と認識することはできないほどです。

このように、ほとんど特徴がないと言ってもいいこの腕時計を見ていると、その潔さから、筆者は腕時計という「道具」の本質について考えてしまうことがあります。

腕時計の一番の役割は?

本来、腕時計はその名の通り、時間を知ったり、計ったりするための道具として誕生したものです。 そして、今日でもほとんどの方が腕時計に求めるのはその点でしょう。

しかし、筆者のようなマニアは腕時計に対してさまざまな意味や役割を求めてしまいます。 満足感であったり、それぞれのモデルの持つドラマ性、そしてデザインや、めったに使うことのないマニアックな機能にまでこだわる事があります。

たとえば、筆者のコレクションの中でも特に気に入っているシェルマンのグランドコンプリケーションには、月暦や、複数の高さの鐘の音で時間を知らせてくれるミニッツリピーターという機能があります。これが、この腕時計の大きな魅力の一つだと思ってはいますが、その機能を日常生活の中で使用することはまずありません。

また、ロレックスのサブマリーナはダイバーウォッチですので、水深300mまでの水圧に耐えることのできる高い防水性能を誇っています。しかし、水深300mどころか、海に入ることすらない筆者にはまるで無意味な機能です。この時計の持つ本当のポテンシャルを一度も発揮させたことがないのです。

実用的な道具としては、筆者もあまり腕時計に思い入れのない方と同じように時間を知るためだけにしか使うことはほぼないのです。

シンプルなセイコー・ファイブを見ていると、そんなことを考えてしまいます。

腕時計は突き詰めてしまうと、単なる道具にすぎません。余計なものを取り入れず、ただ正確に時を刻み続ける、セイコー・ファイブのような腕時計も、筆者は大好きです。